そこに加えて、「うなぎビジネス」に大きなポテンシャルを感じる理由には(3)の「高齢化」もある。
ご存じのように日本は高齢化が世界一のスピードで進行しており、2030年代半ばには日本人の約3分の1を高齢者が占めるようになる。というわけで、「老人国家」を見据えてこれからの日本はさまざまな産業を「シニアシフト」していかなければいけない。
実は「うなぎビジネス」もその一つになっていく可能性が高い。なぜかというと、日本人は高齢者になればなるほど、うなぎをよく食べるからだ。
総務省が発表した2022年の家計調査によれば、2人以上世帯で「うなぎのかば焼き」を最も多く購入していたのは「70代以上の世帯」だった。30代世帯の平均購入金額に比べると、70代以上世帯はなんと約4.4倍、40代の世帯と比べても約2.5倍となったのである。
これは筆者も身をもって味わった。先日、高齢で食が細くなった親に、夏を乗り切れるように何かうまいものでも食べに行こうと提案したら「うなぎなら食べられる」という。地元で有名な老舗うなぎ店に行ったところ、平日の昼間にもかかわらず、高齢者であふれていて、整理券を配るほどの混雑だったのだ。
肉ほど脂身がなく、ふっくらと柔らかいので歯の悪い人でも食べられる。しかも、昔から「体力がつく」といったイメージがあるからだろうか、高齢者のソウルフードのような位置付けなのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング