矢野経済研究所(東京都中野区)は、国内のキャラクタービジネス市場を調査し、セグメント別の市場規模推移、キャラクター別の動向、将来展望を発表した。2023年度のキャラクタービジネス市場規模は2兆6969億円と推計した。
2023年度のキャラクタービジネス市場規模(商品化権・版権)は前年度比2.2%増の2兆6969億円と推計。YOASOBIのアニメ主題歌『アイドル』との相乗効果で人気となった『【推しの子】』や、キャラクター展開で実績のある『鬼滅の刃』『進撃の巨人』などのアニメ放送による効果が市場をけん引した。
また、『ポケモン』『ONE PIECE』『スーパーマリオ』のメディアミックス展開(※)が奏功し、商品化権および版権ともに好調に推移した。SNS発祥のキャラクター『ちいかわ』が幅広い世代に訴求したことも市場拡大に大きく貢献した。
※本調査では、1つのIPコンテンツをアニメやゲーム、漫画、小説など複数のメディアに展開し、世の中に波及させることを指す。
キャラクタービジネスは商品化や販促・広告などのプロモーション起用だけでなく、カフェや展示会、スタンプラリー、謎解きゲーム、その他体験型イベントにも拡大している。背景には物販中心の「モノ消費」から、顧客の体験に価値を置いた「コト消費」に移行しつつあることが挙げられる。
体験を通じてキャラクターブランドの価値を高め、グッズ販売など物販も含めた収益化につなげる取り組みが高い効果を上げており、イベント開催から物販につなげるための道筋が重要となる。
2024年度のキャラクタービジネス市場規模は前年度比1.8%増の2兆7464億円になると予測する。1つ目の根拠は『ちいかわ』『おぱんちゅうさぎ』の人気が若い世代だけではなく幅広い世代へと広がっていること。2つ目は『シティハンター』『キン肉マン』など、中高年世代向け作品の商品化権および版権がともに好調になると予測されることだ。
この調査は、キャラクタービジネス関連企業(メーカー、卸、小売・流通業など)を対象に、2024年4〜6月に専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・メールによるヒアリング、アンケート調査、文献調査を併用して実施した。
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