JA共済連が2023年、全国に住む10〜70代の男女960人を対象に「防災に関する意識と実態」の調査を実施した。
それによれば、防災対策を実施したことがあるかと聞くと、85.8%が「何らか行った」と回答している。しかし、内容を見ると「ハザードマップの確認」(39.6%)や「非常用飲料水の備蓄」(35.8%)ばかりで、「実践」に関しては「学校での避難訓練」(28.5%)、「職場での避難訓練」(22.9%)しかない。
これが日本の防災の弱点だ。マジメな国民性もあり「地震です」というアナウンスが流れたら、防災頭巾をかぶって避難所に集合をするところまではそれなりにしっかりやる。
しかし、本当に訓練をしなくてはいけないのはそこからだ。
東日本大震災や能登半島沖地震の「災害関連死」の多さを見ても分かるように、避難後、電気や水が復旧して仮設住宅に入れるまでの数カ月、長くて半年をどうサバイバルするかが実は一番大事だ。
しかし、日本人はそういうシビアな未来から目を避ける傾向がある。「起きたら起きたで、その時にみんなで力を合わせて乗り切ろう」という感じで、「絆」のような精神論にすがってしまうのだ。
もちろん、それは良い面もあるのだが、悪い面もある。これだけ地震が多い国なのに、いつまでたっても被災者が体育館でダンボールのついたての中で雑魚寝をさせられている原因もここにある。
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