クリエイティブモードを活用したコラボレーション戦略は、新規ユーザーの獲得や無課金ユーザーの課金促進にも大きな効果をもたらしている。これは、「態度変容モデル」で考えるとよく分かる。まだ商品を知らない段階から、目的の収益化を図るゴールまで、刺激を与えて消費者の心情や行動を変えていくための働きかけが態度変容モデルだ。
最も歴史が古く、一般によく知られているのがAIDMA(Attention:認知・Interest:興味・Desire:欲求・Memory:記憶・Action:購買行動)モデルである。
それに対して、オンラインゲームを含むWebサービスでよく用いられるのが、AARRR(Acquisition:獲得・Activation:活性化・Retention:維持・Revenue:収益・Revenue:収益・Referral:紹介)というモデルだ。一度購入して終わりではなく、反復利用する習慣づけをしてから課金へと導く。さらにネットの特性を生かし、拡散によって顧客の拡大再生産まで狙っている。
以下、フォートナイトのクリエイティブモードでの態度変容をAARRRモデルに照らして見てみよう。
クリエイティブモードを活用した企業との多様なコラボレーションは、普段ゲームをしない層にもアピールする効果がある。例えば、日産自動車のバーチャルショールームやJTBの仮想旅行体験は、自動車や旅行に興味を持つユーザーを新たなプレーヤーとして引きつけている。
新規ユーザーは、クリエイティブモードを活用したコラボレーションイベントや特別なコンテンツを通じて、魅力的な初回体験を得ることができる。これにより、ゲームへの興味が高まり、継続的なプレイにつながる。
頻繁なコラボレーションとアップデートにより、ユーザーは常に新しい体験を楽しめ、ゲームに対する興味を維持する。特にコラボレーションイベントは定期的に実施され、プレーヤーのエンゲージメントを高める。
クリエイティブモードを活用したコラボレーションによって追加される限定スキンやアイテムは、無課金ユーザーにも強い購入意欲を生じさせる。好きなキャラクターやブランドのアイテムが手に入ることは、課金への大きな動機となる。また、コラボレーションによる特典アイテムがシーズンパス(レベルを上げることでシーズン限定のアイテムが入手できる)に含まれることで、ユーザーがシーズンパスを購入する動機づけになる。
クリエイティブモードを活用したコラボレーションイベントはソーシャルメディアで広くシェアされ、既存ユーザーが友人やフォロワーにゲームを紹介する機会を増やす。特に有名なコラボレーションは口コミ効果が高く、新規ユーザーの獲得につながる。
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