フォートナイトを「メディア(広告媒体)」として捉えた時、同ゲームが行っているコラボはどう捉えればよいだろうか。
通常、企業がメディアを使って行うコミュニケーション戦略としては、純粋にメディアのスペースや枠を買って行う「純広告」や、メディアにニュースリリースを投げ込むなどして、記事掲載を検討してもらう事が基本である。本事例はそのどちらとも異なる。
フォートナイトの法人コラボは、ドラマなどの作品内に商品を登場させる「プロダクトプレースメント(Product Placement)」という広告手法に類似するといえる。同手法と比較してみよう。
従来のプロダクトプレースメントは、企業が自社の商品を映画やテレビ番組の中で目立つ形で使用してもらうために費用を支払う。主に企業側が制作側に費用を支払い、商品やブランドを作品中で目立たせることが目的だ。
一方、フォートナイトのクリエイティブモードを活用したコラボレーションは、単なる広告効果を超えて、双方向の利益を生み出す戦略的パートナーシップである。具体的には以下の通りだ。
フォートナイトのコラボレーションは、双方が互いに利益を得る関係に基づいている。有名ブランドやキャラクターを取り入れることでプレーヤーの関心を引き、コラボレーション先は同ゲームの広範なプレーヤーベースにアクセスできるため、互いにブランド価値を高めることができる。
特定のコラボレーションでは、売り上げの一部を分配する収益分配モデルが採用されることがある。例えば、コラボレーションスキンやアイテムの売り上げをフォートナイトとコラボパートナーで分け合うことで、双方が直接的な経済的利益を得る仕組みである。
プロダクトプレースメントでは、視聴者が受動的にコンテンツを消費するのに対し、フォートナイトのコラボレーションでは、プレーヤーが積極的に参加するインタラクティブな体験が提供される。ゲーム内イベントやクエストを通じて、プレーヤーがコラボレーションコンテンツと直接関わることで、より深いエンゲージメントが生まれる。
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