日本のマーケターは海外と比べて「生成AI」の利用率が低い――。そのような結果がアドビ(東京都品川区)による調査で明らかになった。日本のマーケターは生成AIの活用について、どのような懸念を抱いているのか。
日本のマーケターのうち、生成AIを活用している人は合わせて54%だった。内訳は「日常的に活用中」が29%、「実験的に活用中」が25%。他国平均の約75%と比較すると、利用率は約20ポイントも低い結果となっている。生成AIの利用率が高い国は「インド」(92%)、「オーストラリア」(79%)だった。
日本のマーケターが抱く、生成AI活用への懸念点は「生成AIが作成したコンテンツの有用性や正確性」が最も多い回答となり、41%に上った。「プライバシーや顧客データの管理」「自社ブランドの知的財産(IP)保護」(各29%)と続いた。
日本企業での生成AIの活用方法について、最も多い回答は「会議の文字起こしや議事録作成」で39%。次いで「データ分析や消費者のインサイト分析」(37%)、「マーケティングコンテンツの文言作成」(35%)となった。
日本企業の中で生成AIを「ビジュアルアイデア」や「画像の生成」に活用している企業は27%にとどまった。一方で、インドでは61%、オーストラリアでは45%の企業がクリエイティブ作成に生成AIを活用していることが分かった。
その他、他国では「マーケティングコピーのアイディア生成」「マーケティングコンテンツの画像生成」「ソーシャルメディア用のコンテンツ作成」などへの利用が多く、社内だけでなく顧客向けのコンテンツ制作に活用されている状況が明らかになった。
生成AIの活用で顧客体験の向上が見込まれる分野について、最も多い回答は「より早く、より良いカスタマーサービスの実現」となり58%に上った。次いで「より高度なパーソナライゼーションや好みに沿った顧客体験の提供」(45%)という結果に。
調査は2024年2〜5月に実施。日本、米国、英国、仏、インド、オーストラリアの日常的にマーケティング業務に携わるマーケター2834人(従業員100人以上の企業のマーケティング担当者)および消費者8163人(日本の消費者は1000人)から回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング