そこで、グンゼは汗による不快感の解消に特化した商品開発に着手。まずは消費者の生の声を拾うためのリサーチに注力した。
「従来の調査方法では消費者の本当のニーズを捉えきれていなかった。既存商品のレビューを分析したところ、『ベタつき』への不満が多く見られた」と日和さんは説明する。この分析により、市場が求める方向性が見えた。
ベタつきの解消を目指して開発を進める中で着目したのが、吸水性に優れる珪藻土(けいそうど)だ。「汗をしっかり吸って拡散させ、ベタつきを残さないというイメージにぴったりだったのが珪藻土のバスマットだった」(藤本さん)
当初、珪藻土を直接商品に練り込むことを試みたが、期待した効果は得られなかった。その後、サプライヤーとも協力しながら新たなアプローチを模索した結果、珪藻土そのものを使用するのではなく、その構造を模倣して開発することにした。
開発した生地は吸湿性が高く滑らかなレーヨンとドライ感の強いポリエステルの混紡(質の違う繊維を混ぜること)により、サラッとした触感が持続するのが特徴だ。糸の芯部のレーヨンに吸放湿性(空気中の水蒸気を収着・放出すること)を高める物質を結合させた。
さらに、糸の鞘部(外側を覆う部分)には隙間をつくって水の通り道を確保し、汗を素早く効果的に拡散。素早く汗を吸ってベタ付きを残さない、「肌離れ」の良い着心地を実現した。
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