空調服(東京都板橋区)が手掛ける寝具「風眠」(メーカー希望小売価格2万900円)が注目を集めている。会社名にもなった同社の主力商品「空調服」の仕組みを応用した寝具は、どういった狙いから生まれたのか。同社に話を聞いた。
風眠はマットレスのような見た目で、大きさは約92(横)×約200(縦)センチのシングルベッドサイズ。本体重量は約2キロで、女性が1人でも持てる軽量設計とした。冬など使用しない時は、丸めて収納袋に入れればコンパクトになる。
風眠のカバー内部には、プラスチック製のスーパースペーサーという部品が搭載され、空気が流れる隙間が確保されている。使い方は、まずツインファンを搭載した筒が足元に来るようにベッドに敷き、その上から専用のシーツを被せる。コントローラーのスイッチを入れれば、ツインファンが頭側から空気を取り込み、スーパースペーサーを通って、熱や湿気を足側から排出する仕組みだ。
寝ている時、人間の体は背中や側面が常にベッドに触れている。最初は冷たく感じても、徐々に自分の体温であたたまってしまう。そこで風眠で常に風を循環させ続けることで熱を放出でき、寝苦しさを感じにくくなるという仕組みだ。風眠の上には専用のシーツを敷いているので、流れる風が体に直接当たることはない。
風量はスライドスイッチによる無段階調整が可能で、体調や室温に合わせて調節できる。風が流れる時間を設定するタイマー機能もあり、2時間、4時間、8時間、10時間の4パターンを用意した。省エネ設計で1日8時間、毎日使用しても1カ月の電気代は約35円と、昨今の電気代高騰にも対応している。
気になるのはツインファンの音だが、ファンに使用するモーターは振動を軽減した設計で、静音性を高めた。実際に使用している人からは「子どもも使っているが気にせず寝られる」「ファンは足元にあり、音も扇風機レベルなので睡眠の妨げにならない」との声が聞かれた。
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