8月24〜25日に開催された、東京高円寺阿波おどり。多くの連(阿波おどりを踊る団体)が2日間に渡って踊りを披露し、100万人近くの来場者が訪れた。
会場となった高円寺駅の周辺や近くの商店街には多くの屋台が並び、祭りの雰囲気を盛り上げていた。その中に、屋台とは違うあるサービスを提供する一団がいた。ヤマト運輸の配達員たちが、「手荷物預かります」と道行く来場者に声をかけていたのだ。
高円寺駅南口にいたのは、数人の配達員たち。足元には同社が自転車での配送で使用しているような大きめの箱が用意されていた。1人の配達員が掲げていた看板には「ベビーカーやスーツケースを1個当たり940円で預かる」との文言があり、支払い方法もキャッシュレスに対応していた。
これは、同社が観光客向けに提供している手荷物預かりサービスだ。主に駅や空港、観光客に人気のエリアやイベントなどで実施しているそうで、「2010年代頃からスタートした」(同社広報担当者)という。
高円寺駅はもともと大きい駅ではなく、コインロッカーの数も限られている。しかも、高円寺阿波おどりの開催期間はコインロッカーが使用できないため、荷物を預けられる場所が少ない。連が踊り歩く通りはどこも混雑していて、ベビーカーやスーツケースといった大きい荷物を持っていくのははばかられるだろう。荷物のプロである同社の強みと、来場者のニーズが合致したサービスだといえる。
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