デイ・ナイトでロケーション事業を担当する久須美武志さんに聞いたところ、事業成長のカギは「2つ」あるという。1つめは「いい施設を持っているかどうか」である。先ほど紹介したグランパークタワーでいえば、ビルの開口部が広く、クルマ寄せのスペースがある。エントランスは広いし、地下には駐車場もある。屋上にはヘリポートがあって、そこから東京タワーが目に飛び込んでくる。しかもタワーを支える4本足がきれいに見えるのだ。
こうした条件がそろっているビルは少ないので、「ウチのビルでも映画を撮影してほしい。来てくれないかな?」と訴えても、なかなか誘致が難しい現状があるようだ。
いいビルを管理していることが「ハード面」だとすると、もう1つの理由は「ソフト面」である。映画やドラマの制作者たちは、いわゆる“業界の人”である。時間に追われているとビルの中を走ることがあるし、遠くの人に指示を出すときに大きな声を出すことも。服装はスラックスにワイシャツではなく、短パンにTシャツである。
非日常を目にすることによって、嫌悪感を覚えるビジネスパーソンもいる。クレームがでてきてもおかしくない状況の中で、デイ・ナイトはどのような対応をとっているのか。
ビル側にはビル側のルールがあること、制作側には制作側の働き方があること。このことを双方に説明して、できるだけ摩擦が起きないように取り組んでいるそうだ。それでも想定外のことが起きることもあるので、ロケ現場には必ず担当者を配置していて、なにかあればすぐに対応できるようにしているという。
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