人気ドラマはどこで撮影しているの? 知られざる「ロケーションビジネス」の世界火曜日に「へえ」な話(4/5 ページ)

» 2024年09月03日 13時35分 公開
[土肥義則ITmedia]

ネガティブシーンの撮影場所

 話は変わるが、どういった施設でよく撮影が行われるのか。「新しいビルで、オシャレなスペースが人気なのでは?」と思われたかもしれないが、必ずしもそうではない。例えば、暴走族のメンバーがたくさん集まるシーンがあったとしよう。派手なメークと奇抜な服装をした人がたくさんやって来て、改造したバイクが大きな音をたてる。台本に「ケンカを始める」と書かれていれば、そこで取っ組み合いが始まる。

ネガティブなシーンの撮影場所は少ない(出典:AC)

 オフィスビルの近くでこうした撮影は難しいが、自治体の公的施設で適しているところがある。例えば、クリーンセンター。ゴミの持ち込みや排泄物の処理などを行うので、敷地は広い。また、クルマや人の出入りもそれほど多くはないので、ネガティブなシーンには“適している”ようなのだ。

 ある自治体のクリーンセンターで、残虐な殺しのシーンなどを撮影したところ、制作側から「また、次も」「また、今度も」といった具合に、何度も何度も声がかかったそうだ。となると、その動きが気になるのは、他の自治体である。

 「あそこのクリーンセンターで、なぜ何度も撮影しているの?」となって、調べてみると、業者に依頼してロケ誘致をしていることが分かってきた。「であれば、ウチも」といった流れで、デイ・ナイトに依頼するケースが多いようだ。「基本的に当社から営業をすることはなく、いわゆる口コミをきっかけに『声』がかかることが多いですね」(久須美さん)とのこと。

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