ドムドムに久しく足を運んでいない人からすれば「おお、こんなことになっていたのか。知らなかった」と感じられたかもしれないが、同社が「どむぞうくん」をここまで打ち出しているのは、それほど前の話ではない。時計の針を2018年に巻き戻そう。
この年、社長に就任した藤崎忍さんは、どんなことを始めたのか。アパレルブランドと協業して、「どむぞうくん」のロゴが入った洋服をライセンス販売した。なぜハンバーガーチェーンとアパレルがタッグを組んだのかというと、冒頭で紹介したように「長い歴史」が関係している。
店舗数がどんどん減っていく中で、残っている店は「歴史」があるところばかり。リピーターが多いのはうれしいことだが、逆に言うと、客層が“固定化”していることになる。新しいお客にリーチするにはどうすればいいのか。尖った商品で話題を集めただけでなく、ロゴをPRすることでファンとのコミュニケーションを図ったのだ。
本格的に「どむぞうくん」にチカラを入れ始めたのは、2020年のことである。いや、「本格的」に始めることになったきっかけは「結果論」であって、たまたまの要素が強い。
新型コロナの感染が広がったことを受け、日本中からマスクが消えた。同社は「スタッフの健康を守らなければいけない」ということで、「どむぞうくん」のロゴが入ったマスクをつくって配った。自社のスタッフだけでなく、「おすそ分け」という意味でお客にも販売したところ、SNSで話題になったのだ。
つくっても即完売、つくっても即完売。そうした状況が続き、結果的にこのマスクは17万枚も売れた。想定外の事態をきっかけに自社のECサイトを立ち上げ、グッズ販売にチカラを入れることに。2024年3月期を見ると、ECを含めた物販事業の売り上げは全体の約7%を占めるほどになっているのだ。
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