例えば、東京・葛飾区は、区立の中学校に通う生徒の修学旅行費用を2025年度から「無償化」する方針を決めた。このような「課外教室」の体で、貧困家庭の子どもにもディズニーを体験させる方法はいくらでもある。
しかし、「若者のディズニー離れ」という文脈ではこういう話は出てこない。「30年前は5000円で丸一日遊べたのに寂しい」「お金持ちだけが楽しめればいいのか」という感じで、ディズニーのもうけ主義を批判する。「夢の国」なんだから全国民が気軽に行けるようにしろと旧ソ連みたいなことを言う人もいる。
一見すると、大衆の留飲(りゅういん)を下げるようなストーリーだが、実はこれはよろしくない。厳しいことを言わせていただくと、そういう考え方が日本を貧しくさせてきた「元凶」である。
仮に低所得の若者や貧しい家庭の子どもが気軽に行けるように、ディズニーの入園料を大幅に下げて5000円くらいにしたと想像していただきたい。園内のグッズや食事もファストフード並みの価格で提供したとしよう。当たり前だが売り上げは大きく落ちるだろう。
しかし、ディズニーを愛している人々は値段は下げてもアトラクションやパレードのクオリティーが下がることは許せないはずだ。園内のサービスやキャストの「おもてなし」の高さも求めてくる。ここはキープしなくてはいけない。
もちろん、安全面も手抜きはできない。毎日、たくさんの人が乗るものなので整備や点検の人員を減らすことも難しいだろう。
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「ディズニーのチケット、1万円は高すぎる」という発想が日本を貧しくさせたワケ(前編)
「日本のディズニーは大行列。1万円は高すぎ」 この主張は妥当なのか(後編)
“閉店ドミノ”の「ドミノ・ピザ」が、さらに「苦戦」しそうなワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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