「若者のディズニー離れは“料金が高い”から」説は、本当かスピン経済の歩き方(7/7 ページ)

» 2024年09月18日 07時30分 公開
[窪田順生ITmedia]
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給与UPより「値下げ」を求める人々

 商品やサービスの価格を「値上げ」すると、われわれは何かとつけて「高級化だ」「庶民切り捨てだ」と文句を言って、とにかく値下げさせようとする。

 しかし、よその国の人々は違う。「なぜこんなに世の中が値上げしているのに、われわれの給料が上がらないのだ」と文句を言うのが普通だ。

 もし本当に若者が高いチケットで「離れた」というのなら、ディズニーに文句を言うのではなく、そもそもなぜ日本の若者は、世界的にも異常な低賃金なのかと文句を言うべきだ。もちろん、自分の給料を上げていくための努力も惜しまない。交渉もするし、転職もする。

 「高い」ものがほしいのなら、自分の生活水準に引きずり下ろすのではなく、自分たちの価値を高めていく。そういう発想が当たり前にならない限り、いつまでも日本経済が上向くことはないのではないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受


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