体験フロアの1階は、創業時からの製品であるかるたと現代のスマートフォンを組み合わせた体験コンテンツや、かつて任天堂が展開していたレーザークレー射撃システムを現代風に再生したアミューズメント設備を体験できる。この体験で使う銃も過去にコントローラーとして発売された玩具がモチーフであり、人気ゲームタイトル「スプラトゥーン」の作中に登場する“ブキ”のデザインにもなっているなど、世代を問わずファンを喜ばせる仕掛けを施している。
その他、花札遊びや花札作りの体験コーナー、カフェやグッズショップも設置する。
任天堂ブランドの人気、展示や体験の充実度を見るに、宇治市の新たな目玉スポットとなることは間違いないだろう。事実、開館から2カ月後までの事前予約チケットは完売しており、現在は12月の来館予約を受け付けている。
多くの来場者が見込まれるニンテンドーミュージアムは、多方面にポジティブな効果をもたらすと考えられる。分かりやすいのは任天堂ファンの熱量向上だが、加えて述べたいのはニンテンドーミュージアムが位置する宇治市の観光振興だ。
任天堂がIPを積極的にゲーム以外の領域に活用し、より広い層にアプローチしようとしていることは以前の記事で触れた。任天堂の持てるIPをふんだんに活用したニンテンドーミュージアムは、ファンがより熱量を上げ、また新たなファンを獲得する格好の施設となるだろう。
宇治市からの期待も大きい。宇治市は今年の大河ドラマ『光る君へ』の舞台の一つでもあり、平等院をはじめとした多くの寺社がある人気観光地だ。一方で、観光スポットが宇治駅周辺に固まっており、市内を周遊する機会に乏しいことが課題だった。
ニンテンドーミュージアムの最寄り駅は同市の西側にある近鉄小倉駅であり、近鉄小倉駅から宇治駅、またはその逆といった形で、宇治市内を東西に横断する人流を作るきっかけになる。
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