モスフードサービスがドリンクスタンドをオープンした背景には、小型店舗の出店に力を入れていることが挙げられる。都内の一等地はコストが高いため、従来のモスバーガーの店舗設計では郊外への出店が多くなる傾向があった。しかし、ドリンクスタンドのようなメニューを絞った業態にすることで、厨房設備も少なくでき、狭い立地でも出店を可能としたのだ。こうした小型店舗の拡大に当たり、同社は若手社員の提案やアイデアを積極的に採用しているそうだ。
同社は、ドリンクスタンド以外の小型店舗にも力を入れている。9月12日には「アトレ亀戸」内にカフェスタイルの店舗「山と海と太陽」をオープン。一昨年には、東京の広尾に従来店舗の半分の広さでチーズバーガー専門店「mosh Grab'n Go」を出店した。テークアウトを中心に展開しているほか、メニューをチーズバーガーに絞ることで野菜を仕込む必要がなく、従業員の人件費を削減。家賃の高い広尾という場所でも、新しい業態の可能性を見いだした。2号店の計画も進んでいるそうだ。
ちなみに、ドリンクスタンドがある4.95坪の場所には、かつて「ジュースバー」があった。しかし、コロナ禍にその店は閉店。たまたまスペースが空いているタイミングで、東武鉄道から「利用してみないか」と提案があったという。モスフードサービスとしても、1日に約40万人が利用する東武東上線の池袋駅という立地は魅力的であり、ドリンクバーに挑戦することになった。
オープンから1カ月が経過し、売り上げは計画通りに推移しているとのこと。担当者は「男女関係なく、幅広い年代の方に購入いただいている」と話す。
ドリンクスタンドは、今後5年で100店舗の出店を計画している。モスバーガーの小さな店舗から始まる、大きな挑戦に注目だ。
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