山本氏によれば、ドローンショーの使われ方は「興行」か「広告」のいずれかだという。同社では2年ほど前までは興行の依頼がほぼ100%を占めていたが、近年は興行と広告が半々の割合になってきている。4〜5年前と比べて予算が3分の1ほどに下がり、現実的な選択肢になってきている背景があるようだ。
「まだ実際にドローンショーを見たことがない人が多いので、ドローンショーを開催することで確実に集客効果が得られ、売り上げ増につながりやすい強みがあります。マーケティング施策として実施した場合は、広告がポジティブに働く点がメリットといえます」
例えば、富士急ハイランドでは、2024年8月に開業60周年を記念した「ドローン&花火ショー」を500機を使って実施した。開催したのは6日間で、4人まで利用できる2000円の有料観覧席を用意して満員御礼に。期間中の観客数は前年同期比で140%を超えた。好調を受けて、9月にも合計5日間のドローンショーの実施を決定した。
八景島シーパラダイスでは、2023年のクリスマスと年末時期にナイトイベントとして、1000機を使ってドローンショーを実施した。観覧チケットは4300円〜(水族館の入場料金は別、Xmas特別公のみ6500円〜)で人気アニメの「ウルトラマン」「エヴァンゲリオン」「鬼滅の刃」とコラボ。満員御礼とまではいかずとも、興行として成り立つ兆しが見えたという。
また、2024年8月に江の島海水浴会場協同組合が開催した「江の島マイアミビーチショー夏花火」では、500機のドローンでクラゲやイルカの輪くぐりなどを表現。スポンサー企業であるアサヒビールの新商品「未来のレモンサワー」も再現し、来場した約5万6000人が鑑賞した。
以前は音声での企業紹介にとどまっていたが、ドローンショーを実施することで視覚的な広告が可能になった。このようにスポンサーメリットが明確になる点も、ドローンショーが選ばれる一因となるようだ。
「ドローンショーで表現する商品やロゴは、視聴者にとって通常の広告よりもユニークに映る点が魅力です。ショーの様子を写真や動画に撮影してSNSに投稿する方が多いのですが、それを見た方にも広告がポジティブに働く作用が見られます」
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