「過去」はミュージアムのスペースである。壁面いっぱいに当時の写真が飾られていて、エビスビールのルーツなどが紹介されている。
個人的に気になったのは、ビールを運ぶために設けられた「恵比寿停車場」の写真である。線路を横切る歩道があって、そこに掘っ立て小屋があるのだ。大人1人が入れるほどの建物で、顔の大きさ程度の小窓が付いている。
写真を飾るにあたって、サッポロビールの担当者も「この建物はなに?」と気になったそうで、JR東日本に問い合わせたそうだ。返ってきた答えは「分からない」。関係者でさえも正体がよく分からない貴重な写真が並んでいるのだ。
「現在」は、ビールを醸造している場所である。実際にビールをつくっているタンクをガラス越しに眺められるようになっていて、その姿はまるで神殿のようである。
ここでしか味わえないビールをつくっていて、作業をしているのは3〜4人ほど。醸造スペースの地下でビールを発酵させて、できたてのビールを10リットルの樽に詰めているそうだ。ちなみに、1回でつくれるビールは、500ml缶で換算すると2000本ほどである。
そして「未来」のスペースは、どうなっているのか。地下からエレベータで運ばれてきた、ビールを提供している。スタンディングを含めて110席ほど設けていて、取材時(平日の午後6時ごろ)も仕事帰りのサラリーマン風の男性が“新鮮なビール”を楽しんでいる姿を目にした。
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