星野リゾートの星野佳路代表は10月17日の報道機関向け発表会で、米国に温泉旅館を開業することを発表した。米国への進出は同社としては初となる。2028年の開業を予定している。
開業予定地は米ニューヨーク州のシャロンスプリングス。マンハッタンから車で3時間半の場所で、1800年代中盤から1900年代まで温泉地として栄えていた。その後、飛行機での旅行が普及したことで観光地として衰退していったという。
星野代表はシャロンスプリングスを「100年前にピークを通り越した場所」だとしつつも、星野リゾートにとって相性が良い場所だと説明。その理由に温泉資源があることと、日本に似た四季があることを挙げ、「冬は雪見露天風呂、秋は紅葉、夏にはかき氷を出せる気候になる。二十四節気を踏襲したサービスを提供できる」と自信を語った。
温泉旅館を開業する理由について星野代表は、日本はバブル景気の時代に米国に西洋型ホテルを展開しようとし、失敗した過去があると指摘。日本のホテル会社が米国に進出する際には日本のコンセプトが求められているとし、温泉旅館は「外国人の心の中にすっと入っていくためには必要不可欠」だとした。
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