開発のきっかけとなったのは、担当者の子育て経験だった。子どもが絵本を片付けようとすると、絵本が倒れて乱雑になってしまう。この問題を解決するために、月1回の新製品提案会議で案を出したところ、「OK」が出たので開発をスタート。
試作を重ねるなかで、アイデアを形にするヒントになったのは、ピアノ鍵盤の動きだという。中村さんは「鍵盤をたたくと段差が生じる仕組みと、本の厚みが開発者の頭の中で結びついた」と説明する。
約1年を要した開発期間の中で、課題のひとつにコストがあった。「これまで市場になかった形状の商品だったので、購入をためらう消費者が多いのではないか」という声があったため、クオリティーを保持しつつ販売価格を下げることに苦心した。
ストッパーのサイズと数の最適化、部品点数の削減など試作を繰り返したほか、パッケージもカラー印刷からモノクロへ変更するなど、細部にわたってコスト削減を図った。
当初のパッケージでは1色印刷のダンボールを使用し、商品の特徴や使い方を細かく説明するデザインを採用。さらに、販売店には、1台サービスやサンプル用にダミーの本を提供するなど、店頭で取り扱いやすいように販促面でも工夫した。
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