ハンコをつくっているシヤチハタが、なぜ“尿ハネに出会える”商品を開発したのかインタビュー劇場(不定期公演)(1/5 ページ)

» 2024年10月18日 06時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 「シヤチハタ」という会社名を聞いて、どんな商品を想像するだろうか。

 「ハンコでしょ、スタンプ台でしょ、インキでしょ。うーん、だいたいそんな感じかな」などと思われたかもしれないが、このほかにもある。スタンプラリー用のディスプレイであったり、文章管理システムであったり、どろだんごであったり、さまざまな商品を扱っているが、本業はやはり「文具」である。

シヤチハタはトイレの「尿ハネ」に注目(出典:シヤチハタ、以下同)
尿ハネの場所は青くなる

 しかし、である。シヤチハタはトイレの「尿ハネ」に注目し、その汚れが見えるスプレーを開発したのだ。商品名は「MIERUMO」(ミエルモ、一般販売予定:1380円)。スプレーの特徴は、トイレに吹きかけるだけで「尿ハネ」の場所が青く浮き出るというもの。応援購入サイト「マクアケ」でテスト販売(9月6日から11月4日まで)したところ、目標金額30万円に対し、10月17日時点で300万円を超えているのだ。

 ミエルモのボトルの中には、着色剤と消色剤(次亜塩素酸ナトリウム)が入っていて、トリガーを引けばこの2液が混ざって噴霧する。尿ハネがないところは、着色剤の色を消色剤が消して透明になる。一方、尿ハネがあるところは、着色剤が残って青くなる仕組みだ。

トイレの尿ハネを浮き彫りにする「MIERUMO」(ミエルモ)

 このような話をすると「便利そうだな。トイレを掃除しても、くさいことがあるんだよねえ」などと感じられたかもしれない。繰り返しになるが、この商品を開発したのはシヤチハタである。ネーム印やスタンプ台などをつくっている会社が、なぜ「トイレの消臭」コーナーに並ぶようなモノをつくったのか。

 同社で研究開発を担当している南田憲宏さんに、開発の裏側を取材した。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。

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