日本は“無防備”か 選挙で「ディープフェイク」はこう使われるAI×社会の交差点(6/6 ページ)

» 2024年10月23日 08時00分 公開
[城田真琴ITmedia]
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日本の状況

 2023年11月に生成AIで作成された岸田文雄前首相のディープフェイク動画がSNS上で拡散され問題となったが、選挙に関連したものではなかった。それだけに法的な枠組みについては、カリフォルニア州のように選挙を想定した特段の検討はされていないのが実情である。

 一方、技術的な対策については世界共通である。実際、マイクロソフトは「ディープフェイクから日本の選挙を守るためのマイクロソフトの取り組み」として、英国やフランスの選挙で既に活用実績のあるコンテンツ整合性ツールを提供するとしている。

 これは、ディープフェイクに対抗するためのツールであり、メディアの作成元やAIが作成したものかどうかなどを確認することができる。

 一般の有権者としても、こうしたツールの活用などを通じて偽情報をいたずらに拡散することがないようにAIリテラシーを高めていくことが求められる。

著者プロフィール:城田真琴(しろた まこと) 

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 野村総合研究所DX基盤事業本部プリンシパル・アナリスト。2001年に入社後、IT基盤技術戦略室長などを経て現職。

 専門はエマージングテクノロジー、及びエマージングITビジネスの動向調査。『決定版Web3』『ChatGPT資本主義』『デス・バイ・アマゾン』など著書多数。

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