「SEO対策は生成AIに任せれば楽勝」という判断の落とし穴 “薄い”コンテンツがもたらすリスク(1/5 ページ)

» 2024年10月25日 07時00分 公開
[田中雄太ITmedia]

筆者:田中雄太(デジタルアイデンティティ)

株式会社デジタルアイデンティティに2023年にジョイン。前職の株式会社アダムテクノロジーズでは執行役員。現在はSEOエヴァンジェリスト、コンサルタント。


 AIが生成したコンテンツは、効率性やコスト面でのメリットがある一方で、Googleのアルゴリズムにとってはリスクを伴うものでもあります。AIによる記事は人間の目から見ても満足度が低く、オリジナリティーや深みが欠けることが多いためです。

生成AIはコンテンツ作成の効率を高める一方で、リスクがあるのも確かだ(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ、以下同)

 このような“薄い”コンテンツは、一時的なSEO効果があっても、長期的にはブランド価値を損ない、読者の信頼を失う可能性が高まります。

 そこで本記事では、AI生成コンテンツがもたらすSEOとブランド毀損のリスクについて解説します。

AIツールの普及とその功罪

 生成AIがビジネスの現場に普及し始めている昨今、筆者の周りでも、SEOを意識した外部向けコンテンツの作成に生成AIを活用しているという声をよく聞きます。しかし、効率化を急ぐとユーザーが離れてしまうリスクもあります。

 SEO分析ツール「Ubersuggest」を開発したマーケター、ニール・パテル氏の調査(2022年)によると、AIで作成したコンテンツをそのまま公開してしまうと流入が17.29%落ちてしまった一方で、人間の監修を入れた場合は流入の減少量が6.38%に低減したとされています。

 生成AIの利用が活発な米国では、この事例の他にも生成AIで大量に制作したコンテンツで一時的に自然検索流入が増加した後に、Googleのペナルティにより大幅に流入が減少した事案が多く発生しています。

 日本では生成AIでコンテンツを作成しても人間による監修をしっかりと入れている場合や、米国と比べると生成AIコンテンツの利用率がまだ低いことから、顕著にマイナスの影響を受けた事例はまだそれほど多くありません。ただし、楽にSEOの流入を増やす方法として安易にAI生成コンテンツを利用してしまうと、売り上げに大きなダメージを及ぼすリスクがあるといえるでしょう。

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