楽天、PayPay、Vポイント 国内2.5兆円市場を制するのはどこか「ポイント経済圏」定点観測(2/5 ページ)

» 2024年10月27日 08時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

ポイントの満足度を左右する要素

 共通ポイントの満足度ナンバーワンは、いわずとしれた楽天ポイントだ。この調査は、どのポイントが一番人気かとかどのポイントが一番使われているかとかではなく、「そのポイントのメインユーザーが、どのくらい満足しているか」を調べていることに注目してほしい。楽天ポイントは、最大勢力の共通ポイントだが、利用している人の満足度でもトップになっているのだ。

J.D.パワー ジャパンが実施した「2024年共通ポイントサービス満足度調査」。ユーザーのポイントサービスの満足度を調査したものだ

 では、どんな点が満足度につながっているのだろうか。奥氏は「ためやすさ、使いやすさ、確認しやすさのすべてが4年間ずっとトップ。特に、最も満足度に影響する『ためやすさ』のポイントが、楽天ポイントは高い」と話す。

 全般に高い評価を受ける楽天ポイントだが、特にためやすさにおいて他をしのぐ。例えばオンラインでポイントをためる割合は、楽天市場を有する楽天ポイントがダントツで高い。一方、ヤフーショッピングを持つPayPayポイントやau PAYマーケットのPontaポイントを貯める割合は平均並だ。またAmazonと連携を始めたdポイントも、満足度として効果が出てくるのは次回調査あたりからだろう。

 リアル店舗でのたまりやすさはどうか。実はここでも楽天ポイントの強さが光る。旅行や宿泊、ガソリンスタンドなど比較的高額なサービスでの利用においてポイントを貯めるユーザーが多い。

「JREポイント」将来のサービスイメージ(出典:JR東日本)
JREポイントのロゴマーク(出典:JR東日本)

 少し面白かったのが、今回から調査に加わったJREポイントだ。JR東日本が運営するポイントサービスで、鉄道利用やSuica決済、駅ビルでの買い物でたまる。特に駅ビル、百貨店、書店、カフェでの利用で多く利用されている。これは、駅を中心とした「街」の概念を軸にしたポイント戦略が功を奏した結果だといえるだろう。このことが、ポイント総合満足度で3位につけたことにつながっている。

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