JDパワー調査の興味深いところは、どんな要素が総合満足度に最も影響したかも分析していることだ。ポイントのためやすさの満足度について最も影響が大きかったのは、実は「ポイント運用サービスの利用」や「投信の保有残高に応じてポイント付与」といった金融サービスの利用だった。
実は携帯電話会社の通信サービスなど毎月の利用料金に応じてポイントが付与されるサービスの利用より、金融サービスと密接に連携しているほうがユーザーの満足度は高い。
「銀行などの個人向け金融サービスは長期利用を前提としている。特定の経済圏のサービスにまとめるハードルは高いが、離脱も少ない」と奥氏は分析する。つまり、携帯キャリアを変えることにこだわりがない人でも、ポイントと組み合わせて決めた投信積立などのサービスへの忠誠度は高くなるわけだ。
金融サービスの利用は全体の1割程度にとどまるが、ここを制したポイントがユーザーの支持を集めることにつながりそうだ――。と思いきや、実はここで強いのも楽天ポイントだ。金融サービスもまとめて利用しているユーザーが突出して多いのが楽天ポイントのユーザー。ここでも楽天ポイントの盤石性が見える。
とはいえ金融連携で伸びしろがあるのは、今回満足度調査で最下位(前回も統合前のTポイントが最下位)だったVポイントだろう。共通ポイント各社の中で、唯一金融を母体とする三井住友カードが運営しているわけで、そのシナジーをつくれればとても粘着性のある経済圏になるはず。
SBI証券とのクレカ積立は成功例だったはずだが、プラチナプリファードのポイント還元率変更はユーザーには改悪と見られている。このあたりの取り組みは、もう一歩の改善が必要だろう。
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