ただ、サービスを始めるにあたって、社内からは懸念の声もあった。「ユニフォームはECサイトで売れない」という指摘である。考えてみると、ユニフォームを購入するにあたって、細かなやりとりは欠かせない。色はどうするのか、デザインはどうするのか、ロゴのフォントはどうするのかなど。お客と店員が直接やりとりするのではなく、ネット上だけで完結できるのかといった不安があったのだ。
では、どのようにしてその不安を解消したのか。参考にしたのは、ゲームである。サッカーゲームの場合、チーム名を決めて、ユニフォームのデザインを選んで、選手を誰にするのかを考えて。こうした一連の作業が必要になるわけだが、ゲーム感覚でユニフォームを選べるようにすれば、購入のハードルが下がるのではないか。こうした仮説を立て、ECサイトのデザインなどを決めていった。
このほかにもさまざまなことを調整して「準備」が整ったわけだが、コロナ禍でのスタートだったので事業を進めるのは大変だったという。人との接触が多いスポーツは制限されていたので、興味を示してくれるお客が少なかったのだ。
また、スポンサー集めにも困難が待っていた。これまでになかった仕組みなので、スポンサーにどういったメリットがあるのか、きちんと説明しなければいけない。「よし、分かった。広告費として考えよう」と前向きな言葉をもらえても、次に待っていたのは“逆風”である。
商談がうまく進んでいても、コロナの影響を受けて、業績が悪化した企業も。経費を圧縮しなければいけないといった事態に陥り、残念ながら話がまとまらないケースもあったそうだ。
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