ディナーの基本的なコースで大人2人、子ども1人を想定した場合、しゃぶしゃぶ温野菜はソフトドリンクの飲み放題を付けて1万円を少し超える程度、しゃぶ葉は7000円前後である。両者の差は数千円で、物価高が話題になる昨今、この差は大きいのではないか。近年の順位が逆転した要因は、価格差も大きいだろう。
先述した配膳スタイルの違いも関係していそうだ。しゃぶ葉の自分で取りに行く自由度の高さはレジャー性もあり、子どもから大人まで楽しめる。非接触を求めるムードがほとんどなくなった今、こうしたスタイルは強みといえる。
しゃぶしゃぶ温野菜は、質にこだわっているのは確かだが、強みを消費者に訴求できていないのではないか。しゃぶ葉とともに、大衆向けのしゃぶしゃぶ食べ放題というイメージが強く、そう考えるとまだ中途半端な価格設定である。
とはいえ安易に安売り競争へ走るようでは、重厚長大なグループを持つすかいらーくHDに負けてしまうだろう。今後は、いかに高級路線として質感を訴求できるかがポイントかもしれない。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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食べ放題の「残してしまう」問題、どう解決? 「しゃぶ葉」が始めたユニークな方法Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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