「安くて当然」を覆す! 「豆腐バー」「うにのようなとうふ」なぜヒット? “豆腐革命”の正体に迫る長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)

» 2024年11月30日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

「硬い豆腐が売れるとは思えない」を覆す

 最初にできたはんぺん状のプロトタイプを、セブン‐イレブン・ジャパンに持ち込んだところ、「面白いがこのままだと心許ない。もっとしっかりした硬さで、味もしっかりしていて、手を汚さずに食べられて、タンパク質が最低10グラムは入れてほしい」と、宿題を出された。

 それらの課題を解決して、発売に漕ぎつけた。

 セブン‐イレブンが売ってくれそうだとなると、社内の空気が変わった。それまでは、「硬い豆腐が売れるとは思えない」と白い目で見られてきたという。池田氏と1名の部下で、工場の片隅で試行錯誤を続けきた。ところが老舗豆腐メーカーの高度な知見が投入され、アサヒコならではの完成度の高い商品に仕上がった。

アサヒコが提供するコンビニのPBの豆腐バー。左からローソン、セブン-イレブン、セブン-イレブン、ファミリーマート

 最初に発売したのは、プレーンタイプの「旨み昆布」。1年間はアサヒコのナショナル・ブランド(NB)として販売。2022年1月からは、セブン&アイ・ホールディングスのプライベート・ブランド(PB)となった。同年秋からは、競合の「ファミリーマート」「ローソン」でもPBとして販売されている。

 意識的に「サラダチキンバー」の隣へ置かれ、顧客がその日の気分で、タンパク源をチキンと豆腐から選べるようにした。

 このようにコンビニから火が付いた豆腐バーは、今ではスーパー、ドラッグストアなどでも売られるようになり、定着したと言えるだろう。2024年10月末までに累計約7500万本が販売されている。

 現在販売されているのは、「旨み豆腐」「バジルソルト風味」「すき焼き風」「蓮根と枝豆」「日高昆布と大豆」の5種。また、豆腐のおやつとして、「スイートポテトバー」「濃抹茶バー」「香ほうじ茶バー」の3種がある。合わせて8種となっている。

豆腐バーを開発した、池田社長

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