「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/7 ページ)

» 2024年12月04日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

なぜ「自責思考」は危険なのか? 3つの理由

 「自責思考」が危険な理由を3つ紹介しよう。

  1. 思考停止に陥る
  2. 精神的な負荷が過剰になる
  3. 上司の責任放棄を助長する

 それでは、想定事例を使いながら一つ一つ解説していこう。

思考停止に陥る

 会議室に10人が集まり、プロジェクトの振り返りが行われていた。

 「このプロジェクトが失敗した原因は何だと思う?」

 部長がこう問いかけると、新人のAさんは考え込んだ。確かにスケジュール管理は甘かった。しかし予算申請しても課長は聞く耳をもたず、意識の低い契約スタッフにも手を焼いた。そう思いながらも、

 「全て私の段取りが悪かったからです、申し訳ございません」

行き過ぎた「自責思考」は建設的な解決の道を閉ざすことになる

 そう答えた。以前から「自責思考を持て」と言われ続け、問題があれば「私が悪い」と言うクセがついていたからだ。すると部長は満足げに、

 「他責にしない姿勢は立派だ」

 と言い放った。本来なら予算やリソース配分の問題として議論すべきだったのに、Aさんの努力不足で片付けられてしまったのだ。

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