営業部の月次会議。課長は売り上げ目標未達の原因を若手のBさんに尋ねた。
「退職された方の引き継ぎが不十分で……」
と話し始めたBさんの言葉を遮り、
「引き継ぎができていたら、売り上げ目標は達成したのか?」と一喝。
「確かに……」
とBさんは思いとどまった。1000万円の目標に対して670万円の案件分が引き継ぎ不十分でショートした。これは誰もが知っている公然の事実である。ただ、だからといって不足分を埋められなかったのは、自分の責任かもしれない。Bさんはそう思いなおした。
「申し訳ございません。苦しまぎれに言い訳をしてしまいました」
計算すると分かる。平均顧客単価50万円の商材で700万円近いショート分を補うには、14〜15社から受注を取らなくてはならない。そんな芸当は、大ベテランの営業でさえむちゃな数字だった。しかし、そのことを目の前の課長は分かっていないようだった。
「とにかく、目標未達成なのは事実だ。反省するように」
このようなやりとりの連続で「全て自分が悪い」と思い込まされたBさんは、徐々に自信を失っていった。
数カ月後、Bさんは体調不良で休職することになった。コントロールできない要因まで自分の責任と感じ、心が折れてしまったのである。
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