3つ目は「実現可能な道筋を示す」ことだ。
本人の主張が正当なら、現在の給与水準を変えるように上司は対応しなければならない。制度の見直しや、評価基準の変更を具体的に検討すべきだ。ここは曖昧にしてはいけない。
一方、主張が正当でないのなら、本人の努力を促そう。だが決して、
「今の給与が妥当なんだから、我慢したまえ」
なんて言うべきではない。「もっと高く」と言い続けるなら対応できないが、
「現在の年収500万円を、600万円にしたい」
と希望するなら、それをかなえてあげるために、具体的な道筋を示すべきだ。
給与アップの要求に対して、安易に「検討する」と答えるのは避けよう。上司も曖昧な表現はいけない。それよりも、この機会を部下の成長につなげる対話にしていくのだ。
例えば「具体的にどのような付加価値を提供できるようになれば、あと100万円アップすると思うか」と問いかけてみる。あるいは「市場価値を高めるために、どのようなスキルを身につける必要があると考えているか」といった質問をしていく。
「この成果評価を上げるためには、この評価項目のスコアを10ポイント上げること。次に……」
といった感じで、上司が具体的に答えを示したり、誘導するのはやめよう。本人に考える機会を与えるべきだ。そうしたほうが部下自身が自分のキャリアについて深く考えるきっかけを作ることができる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング