話題の「電流スプーン」、減塩ラーメンは“しょっぱく”感じられるのか? 一風堂が限定商品 キリンと手を組んだワケ(2/2 ページ)

» 2024年12月06日 12時00分 公開
[三好一葉ITmedia]
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その味は……?

 しかしスープはともかく、ラーメンの麺をスプーンで食べるのは難しい。そこでキリンは、エレキソルトを使った「ラーメンの食べ方」も合わせて考案した。具体的には、片方の手にスプーンを持ち、先端をスープに漬けたままにする。そして、もう片方の手には箸を持ち、ラーメンを口に運ぶ、というものだ。

 こうすることで、「スプーンの先端からスープに流れ出た電流が、麺を通して口に伝わり、スプーンを持った方の腕から再びラーメンに戻る」という循環が生じ、ラーメンの麺もより強い塩味で味わえるという。

photo エレキソルト スプーンを使った減塩ラーメンの食べ方(提供:キリンホールディングス)

 果たして本当に、塩味を感じられるのか。実際に試食会に参加した。

 まず通常のレンゲで減塩ラーメンを口にしてみると、「白丸元味」の味はするものの、薄味でやや物足りなさは拭えない。次に、エレキソルトスプーンを使ってみると、確かに塩味が増し、とんこつスープの味わいもより口の中に広がるように感じられた。

photo 「白丸元味」と食べ比べ、その味は(編集部撮影)

 電流の強度は4段階を用意してあり、電源ボタンを複数回押すことで変更できる。塩味の感じ方には個人差があるものの(筆者は弱めの電流で十分だと感じた)、物足りないようであれば自分に合わせた強さに調整できるというわけだ。

photo 「減塩白丸元味」を食べる様子。電流がきちんと流れていれば、ライトが白く点灯する(提供:キリンホールディングス)

 減塩白丸元味は、12月13〜14日と21〜22日の計4日間、一風堂 浜松町スタンド(東京都港区)で販売。完全予約制となっており、計600食を用意する。

 キリンはエレキソルト スプーンについて、2025年からの3年間で約10万台の販売を目標に掲げる。今後も外食企業と連携してイベントなどを実施し、認知拡大を図りたい考えだ。

 開発を担当したキリンの佐藤愛氏(ヘルスサイエンス事業部 新規事業グループ)は「健康経営に取り組む企業や、減塩支援を実施する自治体にも訴求していきたい」と意欲を見せた。飲食店に初導入されるエレキソルトスプーンは、「ラーメン好き」からの支持を得られるか。

photo キリンの佐藤愛氏(左)、力の源カンパニーの冨田英信氏(右)(編集部撮影)
photo エレキソルトスプーンと一緒に提供される、減塩白丸元味(同上)

【編集履歴:2024年12月6日午後16時00分、キリンホールディングスへの追加取材により、本文を一部変更しました】



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