テレビCMでは若手俳優の山崎賢人さん、上白石萌音さんを起用し、若年層(20〜40代)に向けて訴求を強化する。インテージSCIの調査によれば、ビール市場全体(発泡酒なども含む)における商品の新規購入者のうち、若年層は39%。一方で、サントリー生ビールの若年層比率は44%とこれを上回っているとのことで、ターゲティング施策でも手応えを得ているようだ。
飲食店向けに提供している「オリジナルマグジョッキ」も好評だという。膨らみのあるどっしりとしたシルエットと、青地のブランド名が特徴的な専用ジョッキだが、CMに登場させたところ「出てくるジョッキがかわいい」「まるっとした形が面白い」「どこで手に入るのか」といった反響が見られたという。
こうした声を受けて、同社はこのジョッキを、缶製品のキャンペーンでも積極的に取り入れている。2024年7月には、景品に当該ジョッキが付いてくる350ミリリットル缶のケース(24本入り)を数量限定で用意。9月には、購入点数に応じて名入れのジョッキなどをプレゼントするキャンペーンを開催した。「CMに出てくるジョッキで飲める」という“体験価値”によるアプローチも、売り上げの伸びに貢献しているようだ。
飲用体験を充実させるべく「形状にもこだわっている」と担当者は強調する。「直径を大きくすることで、一口当たりの量が多くなるようにしました。飲み口の厚みは薄めに抑え、口当たりが良くなるようにバランスを工夫しています」
将来的に、「年間1000万ケース級」のブランドを目指すというサントリー生ビール。“体験”を重視し、若年層への訴求を強化するアプローチ施策は、ブランドの長期的な定着につながるか。
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