なぜ、百貨店の正月営業は少なくなっているのか? 答えは簡単で、「一般人が百貨店を使わなくなっているから」ということに尽きる。小売・流通アナリストの中井彰人氏は、産経新聞の取材にこう答えている。「正月に休業しても百貨店の業績に対する影響は軽微だろう。なぜなら足元で各社の好業績を支えているのは一般客でなく、インバウンド(訪日客)や富裕層だからだ」(産経新聞 2024年12月13日)
日本百貨店協会が発表しているデータによれば、2024年11月のインバウンド(免税売り上げ)は前月比で30.4%増加。32カ月連続でプラスとなっている。2024年1〜11月の累計売り上げ5兆1100億円のうち、5856億円がインバウンド関連となっており、その比率は11.5%。2023年のインバウンド関連売り上げの割合は6.4%であり、2倍近くの伸びを見せている。
では、富裕層はどうか。そもそも、富裕層は元日初売りで福袋に並んだり、安いセールを求めたりする客ではない。中井氏によれば「富裕層や企業の外商顧客がいま求めているのはモノでなく、投資や節税。そのため高級時計、金製品、絵画といった高額品がよく売れる。彼らは店内を買い回ったりせず、百貨店を『ショールーム』として使う」(産経新聞 2024年12月13日)とのこと。元日に店舗を開けていても富裕層は来店しないので、ただただ人件費がかさむだけなのだ。
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