百貨店で買い物をする一般客も減りつつあることを示すデータもある。マイボイスコムが2023年3月、9705人の男女に調査したところ、56.7%が百貨店について「利用したことがない」「ほとんど利用しない」と回答している。2006年にも同様の調査を行っているが、そのときの割合は18.4%だった。この20年で驚くほど、百貨店に行くという文化がなくなっているのだ。
こうした変化の背景には何があるのか。2000年に大規模な小売店を建設する際の規制が撤廃され(いわゆる「大店法」の廃止」)、ロードサイドに多くの大型商業施設の建設が相次いだ。その代表例が、ショッピングモールである。同時期に進んでいたモータリゼーションを背景に、ショッピングモール・車文化圏が強力に形成され、百貨店・電車文化は斜陽化していく。
そんなショッピングモールでさえ2013年を頂点としてその数が減少傾向にあるのだから、駅前にある百貨店に行く文化が廃れているのは、言わずもがなだろう。そうなれば、百貨店側も一般人ではなく、富裕層やインバウンドにかじを切り始めるのも当然のこと。言い換えれば、富裕層やインバウンドへの「選択と集中」戦略が、元日休業に表れているといえる。
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