自治体DX最前線

動画生成AI「Sora」でプロモーション動画を制作してみた 自治体での活用法は?(3/3 ページ)

» 2025年01月15日 07時00分 公開
[川口弘行ITmedia]
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こんなこともできるSoraの機能

 今回は基本的な動画生成しか行いませんでしたが、Soraが提供している他の機能もいくつか試してみました。

気に入ったシーンの差分を生成し動画を補間できる「Re-cut」機能

 Soraで生成させた5秒間の動画の後ろにさらに5秒分の動画を追加してみました。今回は4つの動画を生成してみます。

 オフィスで握手している様子から、さらに5秒経過すると4つの異なる結末が動画になって生成されていました。まるでパラレルワールドを観ているかのようです。

Re-cutの様子

生成した動画中の表現をプロンプトで変更できる「Remix」機能

 今度はネットにあった動画素材をSoraにアップロードして、その動画に対してプロンプトで変更を指示しました。動画は縁側でお茶を飲んでいるおばあさんと猫の様子でしたが、猫を子犬に変更するように指示を出しています。

 結果は、確かに猫が子犬になったのですが、おばあさんは完全に別人で、縁側の様子もまるで違います。

Remixの様子

 つまり、Soraは内部ではアップロードされた元の動画を一度プロンプトに変換して、さらにそのプロンプトを使って動画を再生成しているようです。

自治体でのAI動画生成活用の将来性は?

 Soraのような生成AIは、自治体にとってもさまざまな用途で活用できる可能性を秘めています。

  • 観光プロモーション

 地域の観光地を紹介する動画を簡単に生成・編集できるため、短期間で高品質なPRコンテンツを制作することが可能。既存の映像素材をAIで補正し、新たな演出を加えることも効果的

  • イベント告知

 イベント開催前の告知動画や、終了後のレポート動画を迅速に作成。短い動画をSNS向けに生成し、情報を広く拡散する用途に向いている

  • 地域住民向けの情報提供

 防災情報や行政サービスの案内など、住民にとって重要な情報を視覚的にわかりやすく伝えるツールとして有用

 ただし、観光プロモーションなどの場合は、その地域の実在の様子を観てもらいたいわけで、AIで生成された動画であることがむしろマイナスに働く可能性もあるでしょう。それでも、手持ちの動画素材をそのまま使えないような場合(動画の長さが足りない、余計な物が写り込んでいるなど)、AIによる補正(補間)をする程度の使い方は許容されてもよいのではないかと思います。

 次回は、自治体における生成AIの活用事例として、調達事務の改善について紹介したいと思います。現在の自治体が抱えている課題やそれらを解決する方法について一緒に考えていきましょう。

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