家庭の食卓で人気のメニュー「カレーライス」の調理費用が過去最高値を更新している。
帝国データバンクは、総務省の「小売物価統計」から、カレーライスの具材となるじゃがいもなどの材料や、電気・ガス代など水道光熱費の全国平均価格を基に、それぞれの分量や各調理工程当たりのエネルギー使用量を配分し、算出した。
カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)を基に算出した、カレーライス1食当たりのトータルコストを示す「カレーライス物価」は、2024年11月時点で377円となった。
前月(371円)から6円、1年前の23年11月(316円)からは61円の大幅増となり、8カ月連続で最高値を更新。野菜類を中心とした「カレー具材」で値動きに一服感がみられる半面、コメ価格高騰で「ごはん(ライス)」の値上がりが大きく影響し、カレーライス物価は引き続き上昇基調で推移した。
カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も費用が高いのが全体の約5割を占める、カレー具材(肉・野菜)で、前年同月から5円増の200円だった。輸入牛肉の価格は円安を背景に上昇が続いたものの、ジャガイモ・ニンジン・タマネギ(野菜類)の価格で大幅な値下がりが続き、4カ月連続で前月を下回ったほか、前年同月からの値上げ幅は15カ月ぶりに10円未満にとどまった。
ライス価格は149円と前年同月(92円)から57円の大幅増だった。足元のコメ価格高騰による影響が大きく、前年同月からの増加幅は過去10年で最大となり、11月単月のカレーライス物価を大幅に押し上げた主要因となった。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」(4円)、「カレールー」(25円)は価格の変動がなかったものの、特に水道光熱費では水面下で上昇傾向が続いている。
カレーライス物価を基に、2020年平均を100とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、2024年11月の指数は137.8となり、5年間で4割に迫る上昇率となった。カレーライス物価は当面の間、大幅な高値圏での推移が予想される。
調査では、総務省が発表している「小売物価統計調査」を基に、生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した。
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