長崎県観光連盟によると、「軍艦島は以前から人気の高い観光スポットだが、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』の放送以降は、さらに注目度が高まっている。自治体が運営しているWebサイトの軍艦島紹介ページは、放送日にアクセスが増加していた」とのこと。軍艦島コンシェルジュの久遠氏も、「反響は非常に大きい」と明かした。
「放送直前の9月の予約数は、前年同月比で1割ほどマイナスでした。ところが、放送後は予約数がどんどん増えて、前年同月比で10月は25%、11月は43%、12月は56%、1月は61%伸びました。例年1月は閑散期ですが、いまだかつてない予約数となりました」(久遠氏)
ドラマの影響で雑誌やバラエティー番組など、さまざまなメディアでも軍艦島が紹介され、個人客のみならず団体客の予約も頻繁に入るようになり、予約数が急上昇したようだ。
長崎市では、2025年1月29日〜2月12日に「長崎ランタンフェスティバル」が開催され、祭りに合わせて軍艦島ツアーに参加する人も多かったという。卒業旅行シーズンの3月と大型連休がある5月も予約数が上昇傾向だ。上陸率を踏まえたベストシーズンは5月だという。
「国内外から老若男女が訪れます。訪日外国人は約3割で、台湾、香港、シンガポールの方が目立ちます。リピーターが多いのも特徴で、上陸できても、できなくても『また絶対来たい』とファンになってくださる方が多いですね。当社はコンテンツ制作に注力していて、船内で実施する関連グッズの抽選会やミュージアムの鑑賞も好評です」(久遠氏)
長崎市によれば、軍艦島の上陸者数は2015年に前年比で約1.5倍の28万6936人に急上昇。2016年、2017年も25万人を超えたが、その後は徐々に減少し、コロナ禍の2020年、2021年はピーク時の約2割に落ち込んだ。
上陸者数の急増は、2015年7月に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」に正式登録されたことや、2015年に公開された映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』のロケ地になったことが関連しているのかもしれない。
2024年度(4〜12月)の上陸者数は16万1128人にとどまっているが、2025年1〜3月の数字を加えれば、2023年度を上回りそうだ。
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