常に目標を達成させる「常勝集団」をつくるために、キラキラしたビジネスtipsは必要ない。組織マネジメントを専門とする横山信弘氏が、本質的なマネジメント論を「キレイごとナシ」で解説する。
先日、ある若手社員から相談を受けた。「上司がAIについて詳しくないのに、AIを使って業務改善しろと指示してきます。具体的な方法を尋ねても、それは君が考えることだといわれるだけです」と。
このような経験のない分野で知ったかぶりをする上司、いわゆる「エアプ上司」の存在に悩む声が、昨今増えている。なぜか?
「エアプ」という言葉は、「エアプレー」の略称だ。実際には経験していないことを、あたかも経験したように語る行為を指す。とくに恋愛に関する知識や経験を誇張して語る人を「恋愛エアプ」として、若い人の間で皮肉的に用いることが多い。
今回は「エアプ上司」とはどんな上司か、なぜ問題なのかについて解説する。自分自身が「エアプ上司」になっていないか?――そう考える世の中の上司たちは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
デジタル化が急速に進む昨今、上司と部下の知識や経験の差が開きやすい環境にある。いわゆる「情報格差」「情報の非対称性」である。とりわけ若手社員のほうが、デジタルスキルに長けているケースも珍しくない。そのため一部の上司は、自分の立場が危うくなることを恐れ、経験のない分野であっても知ったかぶりをしてしまう。
しかし、このような上司の下で働く部下たちは強いストレスを感じている。上司が実務を理解していないにもかかわらず、的外れな指示を出し続けるからだ。部下は「この人に従っていて大丈夫なのか」という不安を抱え、やがて組織への不信感を募らせていく。
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
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