職場の隠れた害虫“シーエー虫”とは? 部下のやる気を奪う管理のワナ(3/5 ページ)

» 2025年02月23日 08時30分 公開
[岸良裕司ITmedia]

[退治方法]上司からシンプルな3つの質問をする

 シーエー虫退治の方法はシンプルだ。「問題を拾い上げる上司」をつくることである。決して、現場から問題を上げてもらおうと思ってはならない。「早め早めの報連相」といった精神論では問題は解決しない。

 問題を拾い上げるために上司が部下に投げかける質問は、たった3つでいい。

1 「あと何日で終わりそうですか?」

2 「問題があるとしたら何ですか?」

3 「何か助けられることはありますか?」

 この3つの質問はとてもシンプルだが、絶大な効果がある。実は、この3つの質問には、人の考える力を鍛え、成長させる特効薬が入っている。

(出典:ゲッティイメージズ)

 「あと何日で終わりそうですか?」と質問すると、現場は仕事を完了するまでに必要な期間を毎日考え、見積もりを日々アップデートする。それは現場の「見積もり力」を毎日鍛えることにつながる。

 「問題があるとしたら何ですか?」と質問すると、現場はリスクを毎日考える。それは「リスク予知能力」を毎日鍛えることにつながる。

 「何か助けられることはありますか?」と質問すると、現場は対策を自分で考える。それは「対策の構想力」を毎日鍛えることにつながる。

 これら3つの質問を日々するだけで、結果にケチをつけるシーエー虫を退治できる。さらに、上司は「問題を拾い上げる上司」に成長していくことになる。

 お気付きと思うが、特効薬である3つの問いはすべて「変えられる未来」に集中する進捗管理である。「どれだけ進んだか?」という「変えられない過去」を管理しても時間の無駄だ。3つの問いは、貴重な時間とリソースを「変えられる未来」に集中し、納期を見積もり、リスクを解消し、人を育てることを可能にする特効薬なのだ。

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