AI翻訳サービスを提供するロゼッタ(東京都千代田区)は、製薬企業向け生成AI SaaSソリューション「ラクヤクAI」の販売を開始した。文献情報の検索や文章の品質管理(QC)業務を生成AIによって効率化。新薬開発の加速を支援する。
製薬業界では、多くの人手と時間が単純作業に費やされていて、抜本的な効率化が求められている。
ロゼッタが過去5年間で100社以上の製薬企業の現場の課題を分析した結果(1)文献検索の手間と煩雑さ、(2)業界用語の整合性チェックに伴う膨大な作業時間、(3)メディカルライターの編集負担、(4)業界情報検索作業の長時間化という4つの課題が明らかになったという。
ラクヤクAIには、製薬業界の課題を解決する4つの特徴があるという。まず、添付文章の同類・同効薬情報を一覧で即座に表示できることだ。2点目は、生成AIを活用して審査報告書や申請資料概要へのアクセスを容易にする点が挙げられる。情報収集にかかる時間を短縮するからだ。
3点目は、同一文書内または文書間の整合性をAIが自動判別し、根拠となる情報をユーザーに提示する点。業界用語の整合性チェックにかかる時間を短縮でき、文書の品質管理(QC)業務の効率化を図れるという。
最後に、企業内で保持する広範囲のデータセットと、製薬業界の法規制などの広大なデータベースを統合。RAG(検索拡張生成)搭載のAI質問応答ツールを活用することによって、スムーズな検索と業務の効率化を実現する。ナレッジマネジメントの強化にも寄与するという。
CSR・PRT・CTDといった治験関連文書の作成プロセスをサポートするライティング支援ツールにより、メディカルライターの作業時間を削減する。
生成AIの活用により、製薬企業は膨大な文書作成やチェック作業の負担から解放され、本来の創薬活動に集中できるようになる。ロゼッタ取締役の古谷氏は、「製薬企業が新薬の承認を早め、アンメットメディカルニーズにいち早く応えることで、患者が待ち望む薬をより迅速に届けられるようになると考えている」とコメントした。
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