手続き自体は順調だったのですが、その後、思いがけない問題に見舞われました。筆者がスマホにマイナンバーカードをかざしてオンライン資格確認を終えた後、なぜかスマホ画面にマクドナルドアプリのページが立ち上がり、Amazonファーマシーの手続きに戻れない、という奇妙な現象が発生しました。以下の動画を見てください。
想定外の出来事に思わず笑ってしまいましたが、何回試しても同じ現象が起きます。試行錯誤を30分行ったところで原因が分かりました。
電子処方箋を利用したオンライン服薬指導の際には、マイナンバーの資格情報確認が「マイナ在宅受付Web」のサイト上で行われます。本来であれば、この時Amazonファーマシーのアプリから「マイナ在宅受付Web」を表示するためにWebブラウザに遷移して処理され、処理が「完了した」という情報をもってAmazonファーマシーに戻るのがあるべき挙動です。
筆者はこの時に使用したAndroid(Google Pixel8a)において、広告ブロック機能つきのブラウザ(Adblockブラウザ)をメインブラウザに設定していたため、資格確認の際にまずAdblockブラウザが起動していました。
ところが資格確認結果画面に遷移するはずの場面では、Google Chromeが開いていたのです。Chromeで元々開いていたマクドナルドアプリから開いたWebサイトが表示されていたのです。
まず、Chromeのタブを全て閉じてから「マイナ在宅受付Web」の作業を再度行うと、ブランク(空)の画面が立ち上がることで、このことが確認できました。改めて、Adblockブラウザを開いてみると、資格確認完了画面が表示されていました。そして、この画面からAmazonファーマシーに戻ることが出来たのです。
たまたまマクドナルドだったから目立ちましたが、同じ仕組みで他のサイトやアプリが開く可能性もあります。デフォルトブラウザをOS標準にしているユーザーなら大きなトラブルは起きないかもしれませんが、複数のブラウザを使い分けている場合には、こうした不可解な遷移が起こり得る点に注意が必要でしょう。おそらくiPhoneなどiOS端末ではSafariで開いているタブが開いてギョッとすることになります。
これがAmazonファーマシーの問題なのか、「マイナ在宅受付Web」の問題なのか断定はできませんが、おそらく「マイナ在宅受付Web」がデフォルトブラウザを前提に設計されているのではないかと推測します。
今回の電子処方箋の再挑戦では、Amazonファーマシーを通じたオンライン服薬指導を無事完遂できたものの、やはり細かいところでシステムの不備や運用上の課題が顔を出しました。
いずれにしても、電子処方箋は紙の処方箋にはなかった利便性を生む半面、デジタル特有のトラブルや問い合わせ対応の遅れといった新たなハードルも露呈しています。
今はまだ過渡期ですが、国の推進策やシステム改良が進めば、オンライン診療とあわせて「病院に行かなくても服薬指導と薬の受け取りが完結する」世界がいっそう身近になるかもしれません。引き続き、こうした体験を共有しながら、より使いやすい形に育っていくことを期待したいところです。
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