カスタマーサクセスを成功させるために必要な要素とは──。バーチャレクス・コンサルティング(東京都港区)が公開した「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」2025年版第5弾の結果では、2つのポイントが明らかになった。
カスタマーサクセスを導入・運用する際に課題に直面してしまうケースが多くある。カスタマーサクセスの「効果実感層」と「未実感層」で比較したところ、早期に課題を明確化し、対処できた企業ほど成功につながっていた。反対に効果未実感層では、課題認識や課題への取り組みに不足が見られ、差を生んでいる実態が浮かび上がった。詳しく見てみよう。
効果実感層のうち、最も多かった課題は「何から手をつけたらいいのか分からない/マニュアルがない」(46.0%)。続いて「人材・組織体制が不十分」(28.1%)や「上層部の理解不足」(27.7%)が大きな障壁となっていることが分かった。
一方、効果未実感層では「特にない」が46.4%とトップ。「何から手をつけたらいいのか分からない」(32.5%)が続いた。
同社は「課題認識が低い企業ほど、実際には問題を抱えていても『特にない』と回答しがちだ。例えば経営層の理解不足や人材不足などの障壁が潜在的にあっても、具体策を取らずに導入を進めた結果、十分な成果を得られていない可能性がある。また、ツール導入やKPI設定、顧客セグメント化といった基礎的な運用が不十分なまま属人的に運用してしまうことも、効果を阻む要因になり得る」とコメントした。
現在取り組んでいる課題を尋ねると、効果実感層では「特にない」が37.0%と最も多く、既に初期的課題を克服し、導入・運用の基礎を整えた企業が多いことがうかがえた。
一方で「経営層/上層部の理解が得られない」(25.9%)や「人材・組織体制が不十分」(22.5%)など、より組織的・戦略的な課題が浮上していることが分かった。
対して効果未実感層では「特にない」(48.1%)が依然として最も多く、課題認識が薄いまま施策を続けている可能性が高いと推察できる。
「KPI/KGI設定が難しい」「ツール導入費用がかかる」「顧客のセグメント化が難しい」など基礎的な運用体制の整備段階での課題も多く、施策の軸となる指標設定や顧客データ活用が十分に機能せず、結果として「効果を感じられない」状況が続いていると予想できる。
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