北海道限定の“生食感”チェルシーが大ヒット 見た目をガラッと変えても、なぜファンを離さなかったのか(2/3 ページ)

» 2025年03月25日 14時50分 公開
[三好一葉ITmedia]

「チェルシーの味」再現に苦心

 ブランドを引き継ぐに当たっては、ガナッシュ状の商品を企画した。キャラメルの生産設備を生かしながら、「キャラメル以外」の棚に同社の商品展開を広げる狙いもあった。

 フレーバーはバタースカッチ味に決定。「北海道産」のバターや生クリームにこだわり、「北海道限定」の商品として売り出すことで、“お土産需要”に照準を定めた。道南食品の木村幸乃氏(技術・開発部 開発グループ)は、「特にチェルシーになじみのある、大人の世代をターゲットにしています」と話す。

photo パッケージには雪の結晶をあしらい、「北海道」要素を強調したという(提供:道南食品)

 開発にあたっては、「従来のチェルシーファン」の目線を強く意識したという。「『生食感』の新しさを表現しつつ、バターの濃厚な味わいを再現できるよう、生キャラメルとチョコレートを練り合わせて試作を繰り返しました」(木村氏)

 8月に道内の土産物店などで発売したところ、同社の想定を上回る勢いで売り上げを伸ばし、品薄が続いた。2024年度の出荷総額は7億円を見込む。主力のサイコロキャラメルは2億円を見込んでいることから、一躍ヒット商品に躍り出た格好だ。

 発売月が観光シーズンに重なったことも「予想以上に売れた」要因だと山谷氏はみており、“土産物路線”の奏功ぶりがうかがえる。苦心した「チェルシーの味」の再現も、好評を博しているようだ。

 「『生食感』にマイナスの印象を持たれる方もいらっしゃるのではないかと考えていましたが、SNSでは思った以上に『おいしい』『気になる』といったプラスのご意見が多いです。生食感という新しさ、かつ北海道限定という要素に、気になって購入してくださる方が多いのでは」(木村氏)

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