このような対応は「すき家」「はま寿司」「なか卯」という多くのブランドを擁する外食業界最大手企業ゼンショーHDとしては「あり得ない」というのである。そのような見方をさらに強めたのが、プレスリリースにある以下の一文だ。
「なお、当該店舗は発生2日後に保健所のご担当者様に現地確認をいただいた上で営業を再開しました」
行政も確認して営業再開したのならば、このタイミングで「ご心配をおかけして申し訳ありませんが、実はこんなことが……」と公表するのがベストだったのに、なぜそれをやらなかったのか、という指摘が相次いだのだ。
実際、先ほど例に挙げた「丸亀製麺」の場合、SNSで「シェイクうどん」にカエルが入っている画像が注目を集めてから、翌日に公式Webサイトで謝罪している。
外食業界最大手の企業とは思えない「異常な対応」から深読みして、「実は2カ月間も公表できなかったのは、これがただの異物混入ではなく、すき家を貶(おとし)める勢力と戦っていたからではないか」という壮大なストーリーを唱える人もいる。
ただ、残念ながらこれも危機管理を生業(なりわい)とする人間からすれば、それほど不思議な話ではない。ゼンショーHDのような日本を代表する大企業であっても、こういう常軌を逸した対応をして大炎上することはよくある。
もちろん悪意があってやっていることではなく、現場の人々はみな「良かれ」と思ってやっている。こうしたネット上の口コミやSNS発のリスクの場合、インプレッションやリツイートという「数字」で危機管理対応を決定する大企業は多い。すると今回の「すき家」のような問題は起きがちだ。
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