最もひっかかるのは、テレビ事業をはじめとした「課題事業」への言及です。特にテレビ事業に関しては、持ち株会社化を柱とした3年前の中期経営計画スタートの段階で、非コア事業に区分けして再生に取り組みながらも、いまだに道が開けていません。
この状況下で、「売却も辞さず」としながらもなお、その処遇については新たに設立されるスマートライフ社の2025年度中の判断にゆだねるというさらなる先送りのスピード感のなさは、いかんともしがたいです。ここにもまた、創業者時代からの祖業である家電事業の処遇をもてあます「呪縛」が見え隠れしています。
改革案では2028年度に営業利益ベースで3000億円以上増益の達成を目指すとしていますが、これは現状の2倍弱。一筋縄ではいかない高い目標です。しかし、証券市場では「パナソニックの名称に固執しない」「テレビ事業も売却の覚悟」が好感されたのでしょうか、株価は上昇に転じています。
好感する市場に落胆を与えずに改革を進めていくためには、楠見社長自らのリーダーシップの下、まずは2025年度中に「課題事業」の見極めをどれだけ早く、どれだけ明快に具体化できるかにかかっているでしょう。今度こそ「呪縛」との決別を形にできるか否か、注目して見守りたいと思います。
株式会社スタジオ02 代表取締役
横浜銀行に入り現場および現場指導の他、新聞記者経験もある異色の銀行マンとして活躍。全銀協出向時はいわゆるMOF担として、現メガバンクトップなどと行動を共にして政官界との調整役を務めた。銀行では企画、営業企画部門を歴任し、06年支店長職をひと区切りとして円満退社した。その後は上場ベンチャー企業役員などとして活躍。現在は金融機関、上場企業、ベンチャー企業のアドバイザリーをする傍ら、出身の有名超進学校人脈や銀行時代の官民有力人脈を駆使した情報通企業アナリストとして、メディア執筆者やコメンテーターを務めている。
パナソニック、時価総額4000億円増 「解散」発表したのに株価上昇、なぜ?
日産とパナソニック、クルマと家電を連携するサービスを開始 何ができる?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング