クルマの運転は本来、自分の能力や可能性を広げる行為で、喜びや爽快感が生まれるものだ。しかし、クルマの運転を簡略化していったことで、運転する楽しみは薄れ、運転に不向きな人もドライバーとなり、単なる便利な移動手段になりつつあるのだ。
それを補おうとして、自動車メーカーやサプライヤーはエンタメをクルマに盛り込もうとしているが、スマホでできることをクルマに搭載するのは愚策というものだ。大画面や高音質にこだわっても、そうした刺激にはやがて飽きる。
パドルシフトは、2ペダルATの運転をより楽しみたいドライバーからは好意的なアイテムだ。元々レーシングカーでステアリングから手を離さずシフト操作を行うために考案されたものだが、今やEVにも多く搭載される(こちらは回生ブレーキの強さ選択に利用)ほど普及している。だが、実際に利用しているドライバーは少数派のようだ。
運転を単純化し、楽で快適にすれば、残る操作に神経を使って安全に走れる、と思うのは性善説のようなものだ。実際にはより手を抜くドライバー、運転させてはいけないドライバーを増やすことにもつながってしまう。
その結果、前述のように危険なドライバーが増え、足もとがおぼつかない高齢ドライバーが日常の移動にクルマを使うことで、走る凶器と化している。
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クルマの「音」は演出できる? EV時代に“サウンドビジネス”が広がってきたCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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