トヨタの高度運転支援システム「Advanced Drive」は導入当時、トヨタ・チームメイトというサブネームが与えられていた。これはドライバーと自動運転によって安全運転を目指すシステムであり、協力し合って走行するという考え方を示していたのだ。
レベル3を実現できる能力を備えていながら、あえてレベル2にとどめ、その余力をきめ細やかな運転制御に活用し、ドライバーを過信させないようにする。それこそが当時のトヨタの自動運転に対する考え方だった。
筆者の考えるシステムは、それに加えてコーチング機能を兼ね備えたものだと考えれば、理解してもらえるのではないだろうか。車線逸脱防止機能など、運転を補助してくれる機能は多くのクルマに盛り込まれているが、積極的にコーチングしてくれる機能はまだ存在しない。
そんな教習車みたいなクルマは欲しくない、という声も上がりそうだが、実際には普通のクルマであり、AIが提供するサービスの一つとなるのだから費用負担も少なく、クルマの内外装にも影響を与えることはない。高齢ドライバーには必要な装備として、家族など周囲の人には歓迎されるのではないだろうか。
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmedia ビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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