便利すぎるクルマは魅力か、それとも退屈か? ソニー・ホンダ「AFEELA 1」が問いかける“クルマの価値”高根英幸 「クルマのミライ」(1/6 ページ)

» 2025年04月04日 06時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

高根英幸 「クルマのミライ」:

自動車業界は電動化やカーボンニュートラル、新技術の進化、消費者ニーズの変化など、さまざまな課題に直面している。変化が激しい環境の中で、求められる戦略は何か。未来を切り開くには、どうすればいいのか。本連載では、自動車業界の未来を多角的に分析・解説していく。

 ソニー・ホンダモビリティの新型「AFEELA 1」が米国で予約開始となり、車体だけでなく、提供されるサービスなども明らかになっているが、その内容にどれだけの人が魅力を感じているのだろうか。

 ベースモデルが8万9900ドル(約1300万円)、上級モデルは10万2900ドル(約1500万円)と予想以上に高額で、驚いた人もいるかもしれない。しかし、ソニーとホンダというダブルネームを掲げる以上、安売りはできない。

 EVが完全に普及すれば、小型のパーソナルモビリティをより安価に提供する可能性もあるが、最初は数が売れなくても収益性を確保できる高価格帯を狙っていくのが王道だ。そう、まるでテスラのアプローチと同じである。

ソニー・ホンダが予約を開始したAFEELA 1(写真はジャパンモビリティショーに出品されたもの)。エンタメの提供やAIによるドライブサポートなどもある。テスラのモデルSよりも高価格に位置付け、強気の勝負に出たが、果たして……(筆者撮影)

 気になるのは、AFEELA 1がUX(ユーザーエクスペリエンス=ユーザーが得られる体験)をどの程度実現できるかだが、これに関しては発売後も開発を続け、商品価値を高めていくことも狙っているだろう。AFEELA 1がSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)であることが、大きく影響している。

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