「紅茶戦争」の幕開け? セブンやスタバが注力するティー業態の裏側(2/5 ページ)

» 2025年04月24日 08時43分 公開
[谷頭和希ITmedia]

盛り上がる「ティー」市場

 セブンは2023年から「セブンカフェ」の一環としてティーの提供を始めている。茶葉はダージリンブレンド、アールグレイ、アッサムブレンドの3種類から選べ、それぞれホット・アイスがある。アールグレイとアッサムブレンドはミルクティーにもでき、合計で10通りの紅茶を用意している。

セブンカフェ ティーの商品(出典:セブン-イレブン・ジャパンのプレスリリース)

 これらは、「セブンカフェ コーヒー」と同じように、レジ横にある機械で、ワンボタンで入れることができる。ただ、茶葉の抽出にはこだわっており、1分半ほどかかる。

 現在、全国約90店舗で試験的に展開しているが、今回の決算発表資料では2025年度下期に2000店規模に拡充することを発表した。2026年度にはさらに8000店舗に広げる予定で、本格的な全国展開を見据える。

 一方、カフェチェーンのティー商戦も、ここ数年で盛り上がってきている。その一つがスターバックスだ。

ティー専門店を展開するスターバックス(出典:スターバックス コーヒー ジャパン)

 スタバは国内2000店舗目を「ティバーナストア」という「紅茶専門店」とした。「ティバーナ」とはスターバックスのティーのブランド名で、同店では紅茶や抹茶などが売られている。スターバックスは、この「ティバーナストア」をはじめ、紅茶専門店である「スターバックス ティー & カフェ」を2020年ごろから積極的に展開。特に2024年は一気に4店舗を展開し、現在は全国に15店舗を構える。

 スターバックス コーヒー ジャパン商品本部本部長の加藤桜子氏は、インタビューのなかで、既存のスタバ店舗の近くにあえてティー専門店を配置することで、相乗効果でその双方の店舗の売り上げが伸びると述べている。コーヒーとティーでシナジーが発揮されているわけだ。

 また、コーヒーチェーン店の「ティー」進出でいえば、「タリーズコーヒー」も同様だ。

タリーズが展開する紅茶店(出典:タリーズコーヒージャパンのプレスリリース)

 同社では2017年から紅茶専門業態である「タリーズコーヒー&TEA」の出店を開始し、3月6日現在は34店舗になっている。

 ちなみに「&TEA」の客単価は、通常のタリーズコーヒーの客単価に比べると1〜2割ほど高いという。実際、商品を見るとデパ地下の本格スイーツのような600円以上するケーキなども売っており、こうした商品とのセットで客単価が上がっているのだろう。

 そもそも、タリーズコーヒーの運営元は伊藤園であり、「お茶」の会社だ。それゆえの品質を生かし、高品質・高単価というビジネスモデルを確立させているのが、「&TEA」なのである。

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